既視的ユートピア

2213年6月19日

未来社会はユートピアです。しかし全く未知の世界ではなく、どこかで見たことがあるような感じがします。当初は200年時間が飛んだことに気がつかなかったほど、一見すると200年前と大差ないのです。

そうした意味では、多くのユートピア文学で描かれる理想郷的ユートピアとは異なり、さりげないユートピアと言えます。

23世紀日本社会は今から100年余り遡る21世紀末から22世紀初頭にかけての世界連続革命によって生まれた社会の一つですが、これら未来社会は旧資本主義社会の成果を放棄することなく取り入れつつ、共産主義に基づいて発展した社会です。資本主義時代を経験した筆者のような旧世代の者に既視感があるのはそのためでしょう。

従って、しばしばユートピアのイメージとして持たれるような農村共同体的社会ではありません。発達した都市を持ち、工業化・情報化はよりいっそう進展しています。一方で環境的持続可能性が社会的規準として確立されており、その枠内での発展が目指されています。資本主義時代には空虚なお題目にすぎなかった「持続可能な発展」が実際に達成されているのです。

ちなみに現在、日本の人口は8000万人余り。しかし革命前夜の21世紀末頃には少子化・人口減が著しく進み、最盛期の半分以下、約5000万人まで激減していました。その結果、労働人口の減少で生産活動は停滞し、生活水準も先進国から中進国レベル以下まで転落しました。

保守的な日本における革命は連続革命の一番最後となったのですが、人口激減の存亡危機が革命の重要な契機となったのです。それでも栄光の(?)1億人台は回復していませんが、8000万人は狭小な日本列島には十分な人口と言えるのではないでしょうか。

東京のような大都会でもかつてのような雑踏は見られません。人口密度が緩和されて全体に風通しがよく、住み心地は旧社会よりも格段によくなっていると感じます。
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by komunisto | 2013-06-19 10:21 | 社会