地球環境革命

2213年10月2日

21世紀初頭の世界では先般、国連の作業パネルから、21世紀末の地球環境予測が発表されました。それによると、人間の活動を主因とする地球温暖化は一段と進み、平均気温は20世紀初頭と比べて最大4.8度、海面水位は最大82センチ高くなると警告されました。

23世紀現在から振り返ると、実際のところ、事態は国連の控えめな予測を超え、いっそう深刻でした。21世紀末になると、海面上昇の進行により南太平洋の島嶼国家の中には水没し、消滅する国も現れました。日本でも低地では高潮被害が頻発し、沿岸部に人が住めなくなりました。台風の頻度と規模はいっそう大きくなり、毎年大量の被害を出しました。

全世界的に温暖化に伴う異常気象が常態化し、それに伴う人的・物的被害は戦争に匹敵するほどとなったのです。「地球環境戦争」という言葉が人口に膾炙するまでになりました。

ここに至って、ようやく世界の人々は立ち上がります。21世紀末から22世紀初頭にかけての世界連続革命は、環境だけが要因ではないにせよ、環境悪化に基因する経済危機の発生を含め、環境が一つの重要な契機となった点で過去の革命とは異なっていたため、歴史上「地球環境革命」と呼ばれることもあります。

とりわけ、一貫して温暖化対策に消極的であったアメリカ人が目覚めました。その頃になると、アメリカでもハリケーン被害や中西部での干ばつが深刻化し、国家的危機に陥っていたのでした。

革命は単に「対策」のレベルにとどまらず、地球環境を害していた生産体制そのものの転換にまで突き進みます。要するに、およそ300年にわたって続けられてきた資本主義体制と決別し、環境的持続可能性を組み込んだ新しい共産主義体制へ移行したのです。 

私が旧世界に暮らしていた21世紀初頭にはまだ淡い夢でしかなかったことが、実現しているのです。ただ、そこまで到達するのにさらに100年近くを要し、その間多くの無用な人的・物的被害を耐え忍ばなければならなかったという事実には、いささかため息ではありますが。
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by komunisto | 2013-10-02 10:30 | 環境