貨幣経済は続く?

2213年10月26日

これまで私は、23世紀の世界では貨幣経済が廃止されているとご報告してきましたが、最近そうした考えは誤っているとの指摘をある経済学者から受けました。

彼女―今や、経済学者の半数は女性です―によると、23世紀の世界ではたしかに通貨制度は廃止されているが、貨幣経済が廃止されたとは言えないというのです。

つまり物々交換の形でなお交換経済は続いており、それぞれの取引界で慣習化されている交換条件にあっては通貨の代わりに特定の物が貨幣と同じ働きをしており、また特定取引界だけで通用するクーポンのような媒介物も存在している以上、姿形を変えた新たな貨幣経済が発明されたにすぎないというのです。

彼女の考えでは、物々交換を含めた交換経済自体が廃止されない限り、真の意味で貨幣経済が廃止されたとは言えないが、強欲な人類は交換経済から手を引くつもりはないだろう。ゆえにいずれ通貨制度も復活し、かつてのドルに相当するような世界通貨も海を越えた交換経済を円滑にするべく再登場するだろうとのことです。

たしかに理論的に詰めていけばそういうことになるのかもしれません。ですが基本的な衣食住に関わる物とサービスに関しては物々交換でなく、無償供給制ですから、生存の根本のところでは交換経済は廃止されています。これは、まさに「生存権」が虚しい空理でなく、実質的に保障されていることを意味します。

文字どおりの貨幣経済下で四苦八苦させられた旧世界人からすると、やはり貨幣という一個の特殊商品が存在しないことの影響は大きく、貨幣を持たなくとも基本的な生活が営めるのは革命的と言えます。そうした重要な変革を軽視して、23世紀の世界をなお貨幣経済の延長とだけみなすのは、一面的であるように思えます。

ともあれ、23世紀の世界では様々な分野で手ごわい女性論客が珍しくなく、もはや「女性○○」という言い方をする必要がないのも、大きな変化ではあります。
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by komunisto | 2013-10-26 09:43 | 経済