環境労働

2213年11月25日

良い言葉ではありませんが、資本主義時代には「3K」(きつい、汚い、危険)と呼ばれる仕事がありました。清掃、建設、介護はその代表格であったと思われます。こうした仕事に限って社会的な必要性は高いのでした。

そのため、人手不足が起きては困るのですが、強制労働によるわけにはいかないので、資本主義的「3K」労働は他の仕事が見つからない人のためのある種失業対策事業として留保され、それでもカバーし切れなければ外国人労働者に押し付けられていたのです。

しかし、およそ労働が無償のボランティア化された23世紀、こうした「3K」仕事に自発的に従事しようとする人は激減し、決定的な人手不足に陥らないかという疑問も浮かびます。実際そのような心配はないのですが、内情はそれぞれの業界ごとに異なるため、ここでは特に清掃労働について取り上げます。

清掃というと、ゴミ回収やビルの清掃などの仕事が思い浮かびます。そうした仕事は今日でも清掃労働の重要な一環ですが、23世紀の清掃労働はより広く「環境労働」というカテゴリーに包摂されています。環境労働とは、環境保全を目的とする労働の総称で、清掃だけでなく、放射線等の各種有害物質の測定・除去や、有害生物(特に害虫)の駆除などにも及びます。

こうした環境労働は、各市町村ごとに組織された「環境労働団」という公的団体が担っています。これは生活ゴミの回収やビル等の清掃はもちろん、上述の環境労働全般を請け負う団体です。なお、清掃事業を営利的に展開する清掃会社というものは存在しません。

この環境労働団の従業員は単なる清掃員ではなく、清掃を含めた環境労働全般の技能を持ったある種の技術者です。こうした環境技術は各地の生涯教育機関である多目的大学校でも教えられており、認定資格制もあります。考えてみれば、清掃も完璧にこなそうとすれば素人ではなかなかうまくいかないもので、たかが清掃と侮れないわけです。

こうした環境労働は決して楽ではありませんが、もはや人が敬遠する「3K」仕事ではなくなり、環境的持続可能性の理念が社会に定着した現在では、むしろ社会的にも敬意を持たれる仕事とみなされているのです。
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by komunisto | 2013-11-25 10:46 | 環境