建設事業団

2214年2月11日

以前、23世紀の建設作業は地方自治体に属する建設作業隊が一手に担うと報告しました。この建設作業隊とは、正確には「建設事業団」と呼ばれ、地方圏(道)の公営事業体です。

かつて大規模なビルやマンションの建設は、ゼネコンと呼ばれる総合建設会社が元請けし、それを何重もの下請け建設会社に委託して建設させる複雑な方式が一般的でしたが、現在では旧ゼネコンに相当するのは建築事業組合で、そこからの発注で建設事業団が実際の建設作業に当たるのが通常の流れです。

このうち建築事業組合とは建築士が運営する設計事務所のようなもので、企業というよりは建築工房のようなものですが、旧ゼネコンの流れを汲む大規模な企業体は建築事業法人と呼ばれます。これに対して、建設事業団は建築事業組合・法人の設計に従って、現場の建設作業全般を請け負う公営事業体です。

建設事業団は道内の地域圏を目安にいくつかの方面作業隊に分かれており、それぞれの管轄地域内の建設作業を請け負います。建設作業全般を一括して担う技術を擁するため、設備ごとに細分化して請け負う必要もなく、シンプルな流れになります。

作業隊はある種の軍隊的規律をもって運営されており、建設現場でも整列・敬礼などの光景が見られ、昔の建設現場を見慣れた者にはやや奇異にも映ります。ただ、こうした軍隊的規律は生命身体の危険と隣り合わせの建設作業においては安全確保のために有効と考えられているようで、実際、建設現場での巻き添えを含む死傷事故はほとんど聞きません。

この建設事業団に関してもう一つユニークなことは、建設学校という作業員養成校まで運営していることです。この学校を卒業すると建設業務取扱主任者という資格が与えられ、さらに上級資格として建設業務管理者という現場監督レベルの資格もあります。建設作業員は今や、公的に認証された技術職として確立されているわけです。

その結果、建設作業員はかつてのように地方からの出稼ぎや失業対策の手段ではなく、社会的にも認知された技術者となり、21世紀初頭の日本で起きていたような人手不足とも無縁です。
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by komunisto | 2014-02-11 10:25 | 経済