民営交番

2214年2月15日

日本の代名詞のようにもなっていた交番は23世紀の今でも健在ですが、制度には大きな変化があります。かつての交番はれっきとした警察組織の一部でしたが、現在の交番はある意味で「民営」なのです。

すなわち現在の交番は、市町村ごとに組織された社会安全連絡会(社安連)という防犯市民組織が運営しており、交番に詰めているのは警察官ではなく、防犯員と呼ばれる民間人です。

防犯員は先の社安連に雇用された職員で、民間のガードマンと似ていますが、ガードマンよりは公的な性格が強く、広い範囲で防犯警邏活動を行います。

従って、防犯員は警察官としての権限を持たず、制服も別で、拳銃も所持しません。時に現行犯を逮捕することはあるようですが、事件に際しては警察に通報したうえ、現場で警察官を補助するのが本務です。

かくして「交番のお巡りさん」というお馴染みの警察官の姿はもう見えず、パトロール警官もいかつい警備警察の一員となり、警察は身近な存在ではなくなっています。ただ、何度か指摘したとおり、犯罪は極めて少ないため、警察官の数も比較的少なくて済み、「小さな警察」となっています。

ちなみに、社安連という組織は交番を基礎とした地域防犯活動のほか、保護観察中ないし社会復帰した犯行者の更生保護、さらには公安監視などのアンダーカバーな任務も持つ総合的な防犯組織となっています。

このように治安に関わる業務が「民営化」されているというのは、私のような旧世界から来た人間にはなかなか想定し難いことではありますが、市民主導の23世紀社会の特質をよく示しているように思われます。
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by komunisto | 2014-02-15 10:37 | 社会