透明感のある社会

2214年3月15日

23世紀の社会には透明感があります。その要因を21世紀までとの比較で考えてみると、一つには金銭的な癒着構造の廃絶があリ、もう一つには情報公開制度の発達があると思われます。

貨幣経済下では金銭的な癒着関係のネットワークが社会全体に張り巡らされ、いわゆる政財官の利権トライアングルの形成により、民衆の目の届かない裏側で一体何が行われているのかわからない不透明性の要因となっていました。それは情報公開制度の不十分さともつながっていたでしょう。 

貨幣経済が廃止された現在、こうした金銭的な癒着の構造は解体され、民衆会議で決定される政策にも表裏はありません。政策決定プロセスも公明正大に公開され、バックルームの談合で決められてしまうようなことはないのです。

他方、第二の情報公開制度ですが、これは21世紀当時も理念としては謳われ、関連法規も存在していたものの、一方では外交・軍事分野を中心に厳罰で担保された国家秘密の壁があり、一般行政情報の公開度も秘密主義の風潮が強かった日本では不十分なままでした。

23世紀現在、そもそも軍が世界中で廃止され、外交も、すでに報告したように、世界共同体内の調整的な協商の問題に移り、そもそも秘密の発生する余地がなくなりました。官庁という行政制度も消滅し、代表機関である民衆会議が行政も担う体制が確立されたことで、秘密主義も一掃されています。

情報公開は当然の常識で、それは企業体の情報開示にも及んでいますから、私的な性格の強い企業―自主管理企業と呼ばれます―であっても、企業登記所のオンライン・システムで詳細な企業情報をいつでも閲覧できます。

この点、資本主義的な技術開発競争もないことから、いわゆる企業秘密も存在せず、むしろ新技術は特許化されず世界的に共有されるため、秘密ではなく、開発企業は世界科学技術機関への新技術の開示・登録が義務づけられているほどです。

こうして、23世紀社会の透明感は、やはり貨幣と国家の廃止という二つの革命的な成果から生まれていることが見て取れます。逆に言えば、貨幣と国家の結合が不透明感の源泉だったのです。
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by komunisto | 2014-03-15 08:50 | 社会