電車は乗り放題

2214年3月19日

23世紀の社会でちょっと驚かされることの一つは、電車は乗り放題という「常識」です。これまでにも報告してきたように、23世紀の社会では貨幣交換が廃されていますから、鉄道のような交通機関も無料、つまりタダ乗りできることは「常識」なのです。

となると、鉄道の駅で見慣れた切符売り場とか定期券、乗車カードといった運賃にまつわるシステムは全く存在しないのも当然です。

とはいえ、いきなり入り口からフリーパスでホームに入れるわけではありません。駅にいわゆる改札口というものは存在しないのですが、乗車の際には乗車証明券の発行を受けなければなりません。そのため、昔の切符売り場とよく似た自動発券機の置かれたコーナーがあるほか、カード式の証明券もあります。

何のための乗車証明かと言えば、これは駅や当該路線の利用状況を把握するためのものだそうです。計画経済では貨幣より情報が命ですから、こうした運輸関係のデータも一つの経済情報として収集されているわけです。

さて、かつて都市間鉄道では通勤地獄と呼ばれるような通勤ラッシュに悩まされていましたが、職住近接が進んだ現在、こうした現象は過去のものとなり、朝夕ともゆとりのある混み方です。そのためか、長大編成化の進んでいた大都市の鉄道路線でも、逆に短編成化が進んでいます。

しかし、乗り放題となると、従来とは逆に休日の行楽客が増え、「休日ラッシュ」という現象が起きています。そのため、休日だけ長大編成車両を走らせるような反対の工夫もしているようです。

ちなみに、23世紀の主要な鉄道は、地下鉄も含め、すべてコンピュータ制御による自動運転車両です。ただ、無人ではなく、万一のため、手動運転の技術を持った乗務員―「運転管理士」と呼ばれます―が最低一人は乗務することで安全配慮もなされています。
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by komunisto | 2014-03-19 09:20 | 生活