紙文明の終焉

2214年6月8日

21世紀以前の教科書では、紙の発明・普及は人類史上の画期的な進歩だと説明されていました。しかし、23世紀現在、紙の文明は終焉を迎えています。というのも、紙製品が激減しているからです。

前にもご報告しましたが、紙文明の象徴でもある書籍は、今やごく一部を除き電子書籍に移行しました。また事務の象徴であった紙書類もほぼ一掃されています。

商業活動が存在しないため、毎日山のように投函されていたチラシ類も皆無です。昔の店舗に当たる物品供給所でも、紙袋に包むのはよほど高級品の場合の贅沢で、日用品は包装紙を使わないので、そのまま受け取って持参したバッグや布袋に入れて持ち帰ります。

役所に提出したり、送られてきたりした公的文書類も一部例外を除き存在せず、すべて電子上で処理されます。高齢者でも、生まれたときからコンピュータが存在し、電子化教育を受けた世代ですから、全く不便はないのです。

ちなみに、トイレットペーパーも過去のものです。現在ではかつての水洗トイレと同じくらいに、洗浄機が携帯型を含めて普及・定着しているからです。

かつて製紙業は日本の得意分野でしたが、紙文明の終焉により製紙産業自体が廃れ、製紙は今や手工業的な高級伝統産業に戻りました。

こうした紙文明の終焉は、電子化の進展により自然にそうなったというより、森林保護や製紙工場による環境汚染防止、紙廃棄物の抑制といった環境規制の徹底強化により、政策的にもたらされたものです。

資本主義時代なら、製紙業界の利益に反するような環境規制は事実上不可能だったでしょう。しかし、そういうことが可能になったのも、貨幣経済によらない共産主義社会が実現されたからにほかなりません。
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by komunisto | 2014-06-08 11:11 | 環境