反ナショナリズム

2214年7月8日

前回、23世紀のW杯開催方式に関して、反ナショナリズムが徹底していることを報告しましたが、23世紀の反ナショナリズムは単なる精神論ではなく、明確な法的根拠に基づいています。

反ナショナリズムは、世界共同体憲章(世界憲法)に明文の規定が置かれており、これを受けてナショナリズムの宣伝・扇動を禁止する反ナツィイスモ(エスペラント語:ナショナリズム)条約が締結されています。この条約は、そのまま世界共同体を構成する領域圏の法律としても適用・執行されます。

禁止されるナショナリズムの宣伝には、領域圏旗・領域圏歌(旧国旗・国歌に相当するもの)の禁止という200年前には考えられなかった項目も含まれています。従って、今や日の丸・君が代も歴史の中の存在です。かつて日の丸が飾られていた場所にあるのは、世界共同体旗です。ちなみに、世界共同体歌は存在しません。

こうした禁止措置はW杯のようなスポーツ大会にも適用されるため、W杯の応援で領域圏ごとの旗が振られるようなことはなく、もしそのような行為をしたら、ナツィイスモ宣伝罪として摘発されてしまいます。また試合の前に歌われるのは、世界サッカー連盟が作成した短い連盟歌です。

そのほか、自民族の優越性を強調したり、他民族を侮辱したりする言説も取り締まり対象となりますから、「日本人が世界に誇る・・・」というような200年前には過剰なほどよく聞かれた自讃表現もご法度という厳しさです。

ただ、反ナショナリズムとは排外主義的な民族性の主張を禁止するもので、民族差別や異民族支配に対する抵抗としての民族性の主張は対象外です。そのため、かつては独立性を認められていなかった中東の少数民族クルド人のクルディスタン領域圏とか、チベット人のチベット領域圏といったものが今日では承認されているのです。

旧世界的感覚からすると、ナーバス過ぎるようにも思えますが、元来人類遺伝学的には人類は一つの種族なのですから、小さな民族に分裂し、何かと対立し合うことこそ不自然だったのですね。
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by komunisto | 2014-07-08 14:42 | 法律