奉仕する公務員

23世紀の社会で特徴的なことは、公務員が非常に多いことです。統計上は、労働者の3人に1人以上が公務員だそうです。それもそのはず、23世紀社会には民間資本というものが存在せず、多くの事業が公的に担われているためです。

やはり、共産主義社会は役人天国なのか、と思いきや、そうでもないようです。というのも、23世紀の公務員は市民の奉仕者としての性格が明瞭だからです。資本主義時代にも「公共の奉仕者」という理念が憲法にも謳われていましたが、その意味内容は曖昧で、美辞麗句にとどまっていました。

21世紀人の知っている公務員とは、親方日の丸に安住し、市民のことなど眼中になく、上から目線の杓子定規で融通が利かない、でも安定しているので就職口としては人気といったイメージだったと記憶します。要するに、公務員とは行政(一部は司法)を管理する役人でした。

23世紀の公務員は単に行政を管理する役人なのではなく、市民に奉仕するサービス提供者です。ですから、民の上に立つお偉方ではないのはもちろん、ただ行政のルティーンワークをこなすだけの存在でもありません。ある意味では、ボランティアのようなものです。

実際、以前からご報告しているように、23世紀の労働はすべて無償で行なわれていますから、もはやボランティアと有給職の区別はなく、公務員も無給です。従って、感覚としては、公共の仕事を市民がボランティアで自ら担っているという感じです。

それでも、中央の公務員たちはまだ威張っているのだろう、とお思いでしょうか。これについても、以前の記事で書いたように、23世紀には「中央省庁」というものがもはや存在しません。政府機構自体が存在せず、民衆代議機関としての民衆会議がすべてを掌握し、旧中央省庁は政策シンクタンク的な研究調査機関に転換されているからです。

というわけで、かつて霞ヶ関を牙城としていた「中央官僚」という種族は絶滅していますから、官僚主導の非民主的な社会も過去のものです。まさに民が主人公である民主主義が実現されているという点では、目を見張る進歩があります。
[PR]
by komunisto | 2014-11-04 09:57 | 政治