民衆司法

2214年12月10日

23世紀の公権力制度の中で、一番姿を大きく変えたのは、司法でしょう。21世紀までは、いわゆる三権の中で最も民衆から遠い位置にあった司法ですが、23世紀の司法制度は「民衆司法」とも呼ばれ、民主化が徹底されています。

まず、司法の頂点にあるはずの最高裁判所といういかめしい制度が消滅しています。では司法の頂点はどこにあるかといいますと、民衆会議です。国会に相当する中央民衆会議の司法委員会及び憲法委員会という機関が旧最高裁の役割を果たします。

つまり、国会が最高裁を兼ねているようなものです。ただし、裁判をするのは通常の代議員ではなく、法律家の資格を持った特別代議員が判事として裁判に当たります。ちなみに、憲法裁判は別立てで上記憲法委員会が審理します。

これに対して、下級裁判所のほうは地方圏と呼ばれる旧都道府県に相当するような広域自治体に属していて、全体の司法監督は地方圏民衆会議が行います。

つまり、上告審は中央民衆会議が直接担当し、下級審は地方圏民衆会議が管轄する下級裁判所が担当するという形で、司法分権がなされているということになります。

このように、あえて三権分立という古典的なシステムを壊して、中央民衆会議が最高司法権を掌握しつつ、司法分権により下級裁判権を地方圏に移譲するという制度を採用することで、司法を民主化しようとしているのです。

ただ、司法には中立性が要求されることから、民主化にはそぐわないという観念がかつては根強くありました。たしかに政党政治の下では、司法の民主化は中立性の喪失というリスクを伴います。

しかし、現在政党政治は一掃されており、民衆会議のメンバーは代議員免許取得者中から抽選で選出されるシステムですから、司法に政党が介入する心配はありません。そのため、中立性と民主性の矛盾という問題自体生じないのです。
[PR]
by komunisto | 2014-12-10 09:59 | 司法