民際捜査機構

2215年1月25日

20世紀から21世紀にかけて、国際刑事警察機構(インターポール)という国際警察機関があり、国際手配を中心とした捜査協力機関として機能していました。

かつてインターポールはよくドラマやアニメなどにも登場する存在でしたが、実在のインターポールは主権国家間の国際協力機関にすぎなかったため、創作の世界のように自ら逮捕などの強制捜査をすることはありませんでした。

23世紀には、民際捜査機構というインターポールの後身のような機関があります。「民際」と訳されるのは、これまでに幾度も報告しているように、23世紀に「国」という政治体は存在しないからです。

民際捜査機構は、その名のとおり、一個の捜査機関であって、逮捕のような強制捜査権も持っています。国が存在しないため、主権なるものを気にせず、独自に捜査することができるのです。ただし、国に相当する領域圏の捜査機関とは緊密な協力関係にあります。

民際捜査機構は世界共同体の付属機関であり、逮捕状のような令状を発行するのは、世界共同体人権裁判所です。このように、国という枠組みを取り払ったおかげで、かつては創作の世界にしかなかった民際捜査が現実に可能なものとなっているのです。

従って、民際捜査官は警察官そのものではありませんが、強制捜査権を持って世界中で捜査活動をする権限を与えられたエキスパートです。

とはいえ、かつてのように国際的なテロ組織とか麻薬組織といったものは23世紀には見られないため、民際捜査機構の役割は個人の逃亡被疑者の追跡・拘束が中心的なものとなっています。

これについては、前回記事でも報告したように、国境という観念がなく、出入り自由の時代、被疑者の海外逃亡は容易になっているため、海外追跡の切実な必要性が生じているのです。

しかし、21世紀に比べれば、世界中で犯罪が減少しており、民際捜査機構も大忙しというわけではなさそうなのは、23世紀にとって幸いなことと言えるでしょう。
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by komunisto | 2015-01-25 14:29 | 司法