地域少年団

2215年3月14日

以前の記事で、選択的通学制を採る23世紀の学校は生活人として必要/有益な素養の涵養に重点を置き、社会性の涵養については、学校制度と切り離して地域少年団活動が担うと記しました。

この地域少年団というのは、21世紀人には耳慣れないものですが、類似の活動としてはボーイスカウト・ガールスカウトに近いかもしれません。ただし地域少年団は各市町村が所管する公式の制度で、スカウトのように軍隊活動のアナロジーではなく、むしろ非軍事的な自然観察活動のようなものです。

従って、スカウトのような制服の着用はなく、私服で活動します。しかも、単なる任意のクラブ活動ではなく、満8歳から15歳までの少年少女全員が加入を義務付けられる野外活動です。団は各市町村の地区ごとに編成され、数名の成人が指導員として配置されます。

年齢構成は学校と異なり、横断的で、如上の年齢層に含まれる地域の子どもたちが包括的に含まれます。そうすることで、地域の子どもたちの間で擬似きょうだい関係を設定し、社会性を涵養することが目的とされます。

具体的な活動内容は、主に週末を利用して、日帰り、時に一泊で田園や高原、海岸など比較的安全かつ自然環境の豊かな場所で散策活動をします。内容的には自然環境教育に近く、従って指導員もスポーツ指導者ではなく、自然レンジャーのような研修を受けた人が充てられるとのことです。

ただ、活動は授業そのものではないため、「勉強」というよりもレジャー的な要素が強く、近隣地域の子どもたちが遊びを通して社会性を身につけ、併せて23世紀世界の共通原理でもある環境的持続可能性を体得できるように工夫されています。

この活動は義務的ですから、学校では通信制を選択して日頃は自宅学習している生徒も少年団活動には参加しなければなりません。障碍のある子どもも、医学的に参加不能な状態でない限り、平等に参加するため、健常児と障碍児が触れ合ったり、介助したりということがごく自然に行われ、障碍者のインクルージョンにも一役買っているとの指摘もあります。

ところで、週末の子どもたちは塾や習い事に多忙で参加できないのでは?という心配は無用です。人生設計の自由度が驚くほど高い23世紀には、塾や習い事に駆り立てられる子どもは皆無なのです。
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by komunisto | 2015-03-14 11:13 | 社会