大転換期の22世紀

2215年9月22日

23世紀という時代には、多くの文物・制度が200年前とは大きく変革していることは、これまでいろいろご報告してきたとおりなのですが、一つ手前の22世紀について教えてほしいとのお便りを読者よりいただきました。

実は、21世紀から23世紀に直接タイムトラベルしてきた私は22世紀という時代を直接体験していません。そのため、22世紀に関しましては、23世紀の史料によってお答えするしかありません。

そういう前提で申しますと、22世紀はまさに人類史上の大転換期だったと言えます。実際、現在2215年は23世紀が始まってまだ15年目ですので、その文物・制度の多くは22世紀のものを引き継いでいるわけです。そのため、22世紀のことは同時にご紹介しているに等しいのですが、22世紀は20世紀と同様、前半と後半とで大きく様相を異にしていました。

22世紀前半は、21世紀末から22世紀初頭にかけての世界連続革命―世界大革命とも呼ばれます―が一巡し、世界が資本主義から共産主義に塗り替えられた時期に相当します。この22世紀前半の50年はまさに激動の時代でした。21世紀までは常識とされてきた貨幣経済とか国家体制といった基本的枠組みとそれにまつわる諸々の諸制度・慣習のすべてが変わったのです。

その変化のスピードと急進性は、20世紀後半のそれに比せられていますが、歴史家によってはそれを上回る人類史上最大級の変革期だったとみなす人もいるほどです。世界の人々も、その変革についていくのが大変だったようです。

特に、貨幣経済の廃止によって、空気のごとく馴染んでいた貨幣という媒体が消え去ったことは変革のハイライトであり、日常の衣食住の根幹が大きく変わりました。本日から貨幣を廃止すると言われたその当時の人々の驚きが目に浮かびます。

その激動期を体験した方の話も聴きたいのですが、2215年の現在、100歳の古老でも2115年生まれで、激動期には乳幼児でしたので、激動期の暮らしを成人として体験したのは古老の親世代の人たちということになり、もはや存命していないのは残念です。

ただ、22世紀初頭の暮らしを体験した当時の著名人の証言を集めた電子書籍がありましたので、それを紐解いてみると、やはり貨幣が廃止された時は大騒ぎで、それまで当たり前のように貨幣と交換していた物品やサービスがすべて取得数量制限付きの無償となったことに体が馴れるまでに時間がかかったという体験が綴られていました。

一方、22世紀後半は、共産主義社会の成長期に当たります。激動が一段落し、新たな文物・制度が定着・発展を遂げていった時代です。23世紀初頭に現在する文物・制度の多くがこの時代に基礎が築かれたものです。

そうした意味では、23世紀未来社会としてこれまでご紹介してきた事柄は、実質上22世紀後半期の延長と言えるわけで、あと85年を残す23世紀という時代はこれからなのですが、私の寿命は世紀末までは持ちません。
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by komunisto | 2015-09-22 07:25 | 社会