徒弟的資格制

2215年12月15日

23世紀には様々な分野で職人的な生産様式が復活していることは、これまでにもいくつかの記事でご報告してきましたが、今回は職人の養成についてです。

23世紀の職人は「徒弟的資格制」と呼ばれる仕組みで養成されています。すなわち、23世紀の各種職人も20世紀以降に確立された近代的な資格制度によって最終的な資格認証がなされるのですが、単に形式的な資格だけに依存するのではなく、養成の過程では近代以前の徒弟制的な仕組みが復活しているのです。

例えば、前回ご紹介した「整容師」のような職人は、所定の専門学校を修了した後、まず業界から師範認定された職人が経営する修練施設で5年以上徒弟として訓練を受け、最終的な技能試験に合格しなければ、職人として業務に従事することができないとされています。

さらに、その業務に切れ目なく継続して10年以上従事し、業界が認定する研修を受けて初めて師範資格が得られ、徒弟を持つことができるようになります。

他の職人的な業種も同様のプロセスによって養成されるため、「徒弟的資格制」と総称されます。この制度は、実質的な技能の習得には効果的だった封建的な徒弟制と、公的な資格認定によってその技能を客観的に証明できる近代的な資格制度とを融合したものと言えるでしょう。

それによって、徒弟制が持つ身分制的な隷属的要素を除去しつつ、資格制が陥りがちなペーパー資格化、気概を欠いた「精神なき専門人」の弊害を克服することに目的があると考えられています。

この厳正な養成制度のおかげで、たしかに23世紀の各種職人は社会的な信頼性が高く、また職人は社会的に敬意を持たれる人気職種ともなっているのです。
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by komunisto | 2015-12-15 09:03 | 社会