世界反原子力機関の活動

2216年5月7日

23世紀は核兵器はもちろん、原子力発電所も廃絶された完全非核政策が全世界で適用されています。その中心を担うのが、「世界反原子力機関」という民際機関です。

この機関は旧「国際原子力機関」(IAEA)を前身としていますが、IAEAが原子力の平和的利用の促進―軍事的転用の防止―を目的とした査察機関であったのに対し、世界反原子力機関は平和的か軍事的かを問わない原子力の利用の禁止を目的とする査察・処理機関です。

ただし、物理学的研究や医療目的の原子力利用は例外的に認められていますが、そうした場合も個々のプロジェクトを世界反原子力機関に申請し、許可を得た上で登録し、査察を義務付けられるという厳しいコントロール下に置かれます。

もっとも、核廃絶と原発廃止が世界的に一段落した現在では、世界反原子力機関の任務は査察よりも廃炉やそれに伴う放射性廃棄物の処分管理に重点があります。そこで処理の対象となる廃棄物の大半は、20‐21世紀の人類が作り出したものです。

数百年前の人類が世界中で排出した放射性廃棄物を処理するために、23世紀の人類が全世界で協働する必要があり、日本を含む世界中に地層処分施設が点在します。世界中から収集された「核のゴミ」がそうした処分施設で一括処分されるわけです。期間的に最大数万年以上も要するという遠大な処分プロセスもあります。

そのためか、23世紀の人々は20‐21世紀の人類のことを、批判を込めて風刺的に「核人類」とか「放射性人類」などと呼ぶことがあります。数百年前の人類の負の遺産の清算で大きな負担を強いられているのですから、言われて当然かもしれません。

大量の放射性廃棄物は、21世紀からタイムトリップしてきた私自身も含む「核人類」が未来の人類に押し付けた負の遺産なのです。大いに反省している次第であります。
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by komunisto | 2016-05-07 11:34 | 環境