東京都市民衆会議議長

2216年5月14日

そちら21世紀の日本では、首都の顔でもある東京都知事殿が豪勢な外遊や公用車の多用で批判されているようですが、23世紀の状況や如何? と言いましても、23世紀には比較の対象そのものが存在していないのです。

以前のたよりでもご報告しましたが、現在「東京都」という行政体自体が存在せず、旧区部だけが「東京都市」として独立しており、旧市町村部は旧神奈川県と旧山梨県を合わせた南関東道という別の自治体に組み込まれています。「首都」という概念もないため、東京は大阪や名古屋など複数ある「都市」の一つにすぎません。

従って、東京都知事という職も存在しないのですが、強いて対応する職を挙げれば、東京都市民衆会議議長がそれに当たります。これもたびたびご報告してきたように、23世紀の政治は中央・地方ともに民衆会議という民衆代表機関を中心に行なわれますから、地方首長にあたるのは、その民衆会議議長なのです。

その点、「都市」とは一つの市でありながら、地方圏=道と同格的な大都市を指しますから、東京を含む都市民衆会議議長は、強いて言えば知事のようなものです。とはいえ、議長職は当該民衆会議代議員の中から一年任期で選出され、本会議議事の進行役と幹部会に当たる政務理事会の主宰者を務めるまさに「議長」であって、知事のような行政長官職ではありません。

民衆会議制度は全世界的な共通制度でもありますが、海外の先進的な領域圏(国に相当する単位)にあっては、議長職を廃止して、完全な合議体制に移行するところも出てきています。議長職が名誉職的なものとなるにつれ、その存在理由が問われ、廃止されていくのです。

何かと「長」の付くポストを欲しがる風土が残る日本ではそこまでいっていませんが、都市の民衆会議議長といえども、一年任期の輪番制に等しい職であり、とうてい「顔」と言えるような大きな存在ではありません。外遊自体、まずしないでしょう。

仮に「都市外交」的な外遊をすることがあるとしても、貨幣経済が廃された現在、多額の経費を使った大名旅行はあり得ません。ちなみに、旅客機のファーストクラスなるものも現在は存在せず、すべてが旧ビジネスに相当するクラスです(代わりに区画貸切というサービスがあります)。

議長には公用車すらなく、移動する際は自家用車や公共交通機関を一般市民と同様に利用します。地位特権がないのは、「民衆会議」という名称にふさわしく、まさに民衆の政治・自治が行なわれている証左だろうと思います。
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by komunisto | 2016-05-14 10:00 | 政治