23世紀世界旅行記(1a):ノルド合同領域圏

2217年1月21日

イスランド〔アイスランド〕からノルヴェジーオ〔ノルウェー〕へ渡りました。ここも二度目の訪問になります。ノルヴェジーオには、タイムカプセルで渡来した旧時代人のための適応化訓練施設があり、イスランドのタイムカプセル管理局を通過したタイムトラベラーはまずここに収容されるのです。

訓練は、23世紀の共産主義的生活への適応訓練と23世紀の世界共通語であるエスペラント語の学習が中心です。前者は貨幣経済が廃止され、無償労働が基本である社会経済の仕組みに慣れるための座学と街を散策して社会見学をする内容です。

訓練期間は6か月コースと3か月コースがあり、最初に心理行動テストとエスペラント語の運用能力テストを受け、結果によりどちらかのコースにふるい分けられます。私はタイムトラベル前からコミュニストであったこと、エスペラントも基礎は学習済みだったことが幸いし、3か月コースに決まり、早くに仕上がりました。

この訓練を修了した者は解放され、特別な査証を与えられたうえで、自由に地球上どこにでも住むことができます。たいていのトラベラーは自分の郷里へ還ろうとします。私の場合も、とりあえず郷里である日本へ直行したのでした。

ノルヴェジーオ訪問は、この適応化訓練を受けた時以来となりますが、その最大都市オスロは世界中から人が集まるコスモポリタンな都市です。ここにタイムトラベラー訓練施設があるのも不思議はないでしょう。過去から来た者でもへだてなく受け入れてしまう懐の深さがあるようです。

オスロがコスモポリタンなのは、23世紀に復活してきた船舶を扱う海事の拠点であることに加え、世界共同体の重要なシンクタンクである世界平和研究センターが所在することなども影響しているように思われます。

ちなみにイスランドやノルヴェジーオを包含するノルド合同領域圏には、他にスヴェディーオ〔スウェーデン〕、スオミーオ〔フィンランド〕、ダンランド〔デンマーク〕、グロンランド〔グリーンランド〕が含まれますが、地政学上グロンランドは世界一周旅行の最後に訪問する予定の北アメリーコ〔アメリカ〕連合領域圏の域外招聘領域圏という地位にもあるため、後に回します。

ノルヴェジーオのお隣スヴェディーオはかつて北欧の中心国をもって任じていたこともありましたが、23世紀の世界には「中心」という発想がありませんので、現在、スヴェディーオが特に「中心」ということはないようです。むしろ、ノルヴェジーオのほうがコスモポリタンという意味では「中心」的な感じがします。

他の二つの領域圏もそれぞれ特徴があるのですが、この時期はとにかく寒く、DNA系統上南方系縄文人の要素が濃厚らしい私は寒さが苦手でありますので、この季節のノルドにあまり長居できません。そこで、ここは切り上げて次はスコットランドへ渡ろうと思います。
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