23世紀世界旅行記(12):ルマニーオ連合領域圏

2217年9月2日

ルマニーオ連合領域圏へやって参りました。ルマニーオはかつてのルーマニアにほぼ匹敵する領域圏ですが、21世紀当時と少し異なるのは、旧モルドバも包摂されていることです。

モルドバは20世紀にはソ連に組み込まれていた小国でしたが、ソ連解体後は他の構成共和国同様に独立していました。ただ、モルドバはその昔モルダビアとも呼ばれ、言語的・文化的にはルーマニアと非常に近く、ほぼイコールと言ってもよいほどです。

19世紀末から20世紀半ばまで、ワラキアと呼ばれていていたルーマニアとともに統一ルーマニア王国を形成したこともありますが、その後分割され、22世紀の世界革命後また再統合されて現在のルマニーオが出来るという複雑な歴史をたどっています。その影響から、現ルマニーオは連邦型の連合領域圏として構成されているわけです。

さらに複雑なことに、旧モルドバ東部ドニエステル河流域のロシア系住民が多い地域チェドネストリーオ〔沿ドニエストル〕特別準領域圏は、高度な自治権をもってルマニーオ領域圏に包摂されつつ、ルシーオ連合領域圏〔ロシア〕の招聘準領域圏でもあるという状況になっています。

このようにルーマニアの領域が膨張することは大ルーマニア主義と呼ばれ、かつては周辺諸国から危険視されていましたが、世界共同体という新しい世界秩序の中では、ルマニーオも世界共同体に包摂される一つの単位にすぎないので、さほど問題化はしませんし、チェドニストリーオの微妙な地位なども世界共同体ならではの芸当と言えるでしょう。

さて、ルマニーオの代表都市は現在もブカレストです。ブカレストは知られざる美術館の街で、多数の美術館があるほか、舞台芸術や音楽も盛んな活気溢れる街です。私のような旧世界人はストリートチルドレンや野犬が多いと聞かされていたのですが、現地の人に聞くと、そんなのは何百年も前(20世紀後半頃)の昔話と一笑に付されました。

ルマニーオを南下すると、一度行ってみたかったバルカン半島へ抜けますが、ここではいったん進路を西へ取り、隣接するハンガリーオ〔ハンガリー〕に向かってみようと思います。
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