2013年 04月 24日 ( 1 )

ボストンマラソンでの爆破事件は当然のように「テロ」と呼ばれ、世界に「衝撃」を与えた。しかし、犯人に法の裁きを受けさせると宣言したオバマ大統領がパキスタンやアフガニスタンなどで「標的殺害」のために許可している無人機による航空攻撃は「テロ」とは決して呼ばれない。

このような用語の不均衡は、テロ(テロリズム)という語の慣用化した意図的逆用から生じている。

元来、テロとは恐怖政治のことであった。具体的にはよく知られるフランス革命当時のジャコバン独裁下の恐怖政治のことである。それがいつしか、民間人による破壊活動をテロと呼ぶようにすりかえられた。

原義によれば政府が秘密裡に敵を殺害する無人機攻撃こそテロであり、ボストン事件のように一介の民間人の手による爆破はテロではなく、単なる破壊活動だ。あの9・11事件も在野過激勢力の犯行であればやはりテロではなく、組織的な破壊活動にすぎない。

無人機攻撃で毎日人殺しをしているアメリカにわずか数人が死傷しただけのボストン事件を騒ぎ立てる資格なし、などと糾弾したいわけではない。

しかし、9・11事件やボストン事件は当然にテロだが、テロリストを殺す―実際は多くの巻き添え被害が黙認されている―無人機攻撃はテロにあらずという言説は、それ自体がマス・メディアも大いに加担している政治的な情報操作にすぎない。 
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