カテゴリ:政治( 24 )

2214年10月10日

20世紀後半から21世紀にかけては、航空宇宙開発の時代でした。この時代、米国を中心とした世界の技術先進各国は競争的に宇宙開発を展開し、宇宙空間を軍事的・商業的に利用する野心を隠そうとしませんでした。

しかし、23世紀の現在、こうした「宇宙開発」という発想は大きく転換されています。現在、宇宙は「探査」の対象であっても、「開発」の対象ではありません。

国という政治単位が存在しないため、国ごとの競争もないことは当然ですが、宇宙探査は世界共同体の専門機関である世界航空宇宙機関が一手に担っています。以前にも報告したように、今や身近になった宇宙旅行をコーディネートするのも、この機関に属する宇宙観光局です。

しかし、世界航空宇宙機関の主任務は、まさに宇宙探査です。それは純粋に研究的なもので、軍事的な性格は持ちません。かつて、異星人との宇宙戦争を題材にしたアニメが人気だった時代もありますが、このような文化現象は宇宙の軍事利用という政策ともリンクしていたのでしょう。

宇宙の軍事利用があり得ない現在、今やそのような文化現象は見られません。現在の宇宙系アニメは、宇宙戦争より、異星間での平和的な外交関係や異星人との友情や恋愛を題材にしたものが主流です。

異星人はいまだに発見されていませんが、衛星の飛翔距離が伸びた現在、地球人が異星に向けて探査衛星を飛ばす時代になりましたから、ひょっとすると、どこかの天体で異星人のほうがUFO現象にとりつかれているかもしれません。

ちなみに、宇宙空間は誰のものかという究極の問題がありますが、宇宙探査に関する世界条約である新宇宙条約によると、宇宙空間は誰のものでもない自然の空間と定義されています。また天体の所有も禁止されています。
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by komunisto | 2014-10-10 11:32 | 政治
2214年5月14日

かつて東京の霞ヶ関と言えば、中央官庁街として有名でした。23世紀の現在、霞ヶ関はどうなっているのか、訪ねてみました。地下鉄の乗換駅がある点は同じでしたが、ひとたび地上に出ると、そこは一変していました。

官庁ビルは消え、マンションや戸建ても立ち並ぶ住宅街と化していたのです。そのわけは、革命後「政府」という組織が廃止されたため、官庁も消滅したということです。今、かつての国会に相当する中央民衆会議は名古屋にあり、ここが立法行政の中心となっています。

旧官庁の多くは政策研究所のようなシンクタンク型研究機関に転換され、名古屋をはじめとする主要都市に分散されていますから、もはや霞ヶ関には跡形も残っていないのです。

官庁街だった頃の霞ヶ関には住宅も商店もなく、均質的な官庁ビルが立ち並ぶいささか画一的で無機質な都市空間でしたが、23世紀の霞ヶ関は緑豊かな住宅街に一変しているわけです。

霞ヶ関から北西方面に出ると、国会議事堂の所在した永田町ですが、ここも民衆代表機関が名古屋に移った今、住宅街が広がっています。旧国会議事堂は歴史的に保存され、憲政博物館となっています。

ちなみに霞ヶ関から北東方面には江戸城跡を利用した皇居が所在していましたが、現在皇居は撤去され、敷地周辺は「江戸城址公園」という広大な緑地公園となり、誰でも自由に散策することができます。

皇居の主であった天皇・皇后夫妻は現在、京都に定められた公邸に居住しています。天皇家は東京から19世紀の明治維新前まで居住していた京都へ戻っているわけですが、そのいきさつについては別の機会にご報告します。
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by komunisto | 2014-05-14 14:00 | 政治
2214年5月4日

2014年の日本では、昨日はまだ「憲法記念日」でしたね。「まだ」と書くのは200年後の現在、5月3日はもはや祝日ではなくなっているからです。そして、憲法も全く違ったものとなっています。

2014年の日本では憲法改正論議がやかましくなっているようですが、歴史を先取りしますと、1947年5月3日施行の昭和憲法は結局、2030年までに段階的に改正され、当時の改憲派の標的だった平和主義を事実上放棄した復古調の新憲法が制定されています。現在の憲法はそれからさらに時を経て、民衆革命後の2108年に制定・公布されたものです。

現在の憲法は少し変わっていて、正式名称を「日本民衆会議憲章」といいます。民衆会議というのは、これまでにも何度か報告しているように、23世紀の国会及び地方議会に相当する代議機関のことです。現在「国家」という枠組みは存在しないため、「日本国憲法」という言い方はされないのです。ただ、通称として単に「日本憲法」と呼ばれています。

しかも、全世界が世界共同体という単一の政治組織体に統合されているため、究極の憲法は「世界共同体憲章」なのです。これはちょうど200年前の国際連合憲章に相当すると考えればわかりやすいでしょう。かつての国連憲章にも半ば世界憲法的な意義はありましたが、現在の世共憲章はまさに世界憲法そのものと言えます。

日本を含めた世界共同体を構成する各領域圏の憲法は、世共憲章に則って制定される地域的な憲法のようものです。そのため、世共憲章が全文200条を超える比較的詳細なものであるのに対し、領域圏の憲章は例えば日本の場合、50条程度の簡素なものとなっています。 

日本憲章の内容的な特色として、政体は民衆主権に基づく統合的(非連邦的)な共和政体を掲げ、基本的人権の筆頭ではおよそすべての生物の生命及び生存の権利の至高性をうたうなど、旧憲法とは極めて異なる政治哲学に立脚しています。

ちなみに、昭和憲法では第9条として目玉だった平和主義は一度死にましたが、今やほぼ同じ内容が世共憲章に取り込まれ、全世界における軍隊廃止の共通根拠条文として拡大再生されています。
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by komunisto | 2014-05-04 11:43 | 政治
2214年3月3日

21世紀初頭の世界では、様々な外交的課題が噴出していましたが、どれも解決困難に直面していました。その原因は、各国家が互いに国益を主張し合っていたことでした。23世紀の世界では、このような国益追求競争は消滅しています。

その理由は、すでに幾度か報告しているように、23世紀の世界に国家というものが存在しないためです。国家は領域圏というおおまかな政治単位に置き換えられたうえ、世界共同体という世界組織に統合されました。その結果、いわゆる外交というもののあり方も大きく変わっています。

現在の「外交」とは国益を賭けた国家間の駆け引きではなく、世界共同体の運営そのものです。つまり、世界共同体に属する領域圏間の調整問題にすぎないのです。そのため、外交官という職も大きく変わっています。

23世紀の外交官とは、国に雇用された外務公務員ではなく、世界共同体の協商担当職員です。在外公館というものもなく、各領域圏には世界共同体の代表部が置かれています。外務省に相当する官庁もなく、外交的な問題は内閣に相当する領域圏民衆会議の政務理事会が直担します。

ただし、かつての国際連合大使に相当する職として、各領域圏は旧国連総会に相当する世界民衆会議に大使代議員を送り込んでいます。この職は各領域圏の民衆会議が選出する領域圏の代表者として、世界民衆会議で各領域圏を代表して討議・表決に関わります。

なお、世界共同体は五つの大きなまとまりごとに、環域圏というリージョナルな支分領に分かれており、各領域圏にはこの環域圏の代表事務所が置かれる一方、各領域圏は環域圏民衆会議にも大使代議員を送り込んでいます。

こうして、23世紀の外交は、すべて世界共同体及び環域圏の枠内で、競争的ではなく調整的に処理されていくのです。そのため、「外交」という用語も今日では歴史的なものとなっており、「協商」という言い方が好まれています。

ちなみに現在、世界共同体に属する領域圏は73あるのですが、これでも調整的な協商を行うには多すぎ、しばしば領域圏間の摩擦の原因となっているという指摘もあり、地域統合的な五つの環域圏の役割がより重視されるようになっています。
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by komunisto | 2014-03-03 10:40 | 政治
2214年2月23日

前々回、民営交番の報告をしましたが、今回は民間公安組織というややタブーに触れる報告です。公安=公共安全はかつて政治警察(公安警察)の仕事であることが常識でしたが、これも23世紀には大きく変わりました。

現在、公式の警察組織に公安警察という部署は存在せず、かつて公安警察が担っていた機能の大部分は、交番を運営するのと同じ社会安全連絡会(社安連)が担っています。すなわち社安連の公共安全課という部署がそれに当たります。

公安警察は100年前の革命後間もなく廃止され、その任務の多くは反革命活動を監視する民間組織であった革命防衛連絡会(革防連)に引き継がれたのですが、現在の社安連はこの革防連と、日常的な防犯活動に当たった防犯協議会が40年ほど前に統合再編された新組織なのです。

社安連公共安全課は交番とは異なり、アンダーカバーの部署であるため、実態が秘密にされていて、不透明なのですが、基本的には革防連の任務を受け継ぎ、反革命活動の監視に当たっているものと推定されます。従って、資本主義復活運動などはその監視の中心ターゲットと思われます。

ただ、旧公安警察とは異なり、民間公安組織は逮捕や捜索押収のような強制捜査権を持たないため、その活動は監視と情報収集にとどまりますが、活動の中で犯罪行為を見出したときは、警察に告発し、捜査協力する権限と義務を持っています。

このように民間公安組織の活動は大部分が非公式のアンダーカバーであるため、旧公安警察以上に秘密のベールに包まれています。そのため、民主的な情報公開の観点からはしばしば問題視され、革命から100年以上を経た現在、もはや大規模な反革命活動など見られないことからも、廃止論が聞かれます。

とはいえ、23世紀社会は強力な市民主導社会であるため、交番のような日常的な防犯活動のみならず、こうした公安活動までも警察に依存せず、民間組織の手で行うべきものという意識には確固たるものがあるようです。
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by komunisto | 2014-02-23 09:26 | 政治
2214年2月7日

先日、近くの基礎教育課程の学校を見学したことをご報告しました。この学校の正式名称は「K郡立S第三基礎学校第二学舎」と長いのですが、このうち冒頭のK郡とは法律上地域圏と呼ばれる中間自治体のことを指しており、S市はその中に包含される10数個の市の一つなのです。

21世紀当時の地方自治制度は市町村と都道府県の二層構造でしたが、23世紀の現在は市町村、郡、道の三層(市では区が設けられることも)を基本としています。地域圏とは、郡の法律上の一般名称です(同じく、道は地方圏)。

こうした郡には他の自治体同様、民衆会議が置かれ、やはり免許取得者からくじ引きで選出される代議員が存在します。K郡民衆会議は隣りの市に置かれているため、S市民衆会議ほど身近ではありませんが、旧都道府県議会よりは生活現場に近いところにある代表機関です。

実は郡と呼ばれる地方行政単位は20世紀の第二次世界大戦前の一時期にも存在していたのですが、それが復活した形となっています。復活といっても旧郡がそのまま復活されているわけではないようで、時折必要に応じて区割り変更もある変動的な自治体なのですが、私の地元に関しては旧制のK郡がおおむね復活されています。

現代の郡の役割は、公教育と地域医療、それに消防、上下水道が主要なものです。かつてこれらは主に市町村で担っていましたが、いずれも小さな基礎自治体で担うには重い役割のため、周辺市町村を束ねた中間自治体が創設されたのです。

その結果、特に地域医療に関しては、一般に中小規模の市町村立病院では限界のあった総合医療や救命医療の機能が郡立病院化により大幅に向上しています。また基礎教育では、かつて主に都道府県が担った旧高校レベルの課程まで郡内で完結させることができるようになっています。
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by komunisto | 2014-02-07 10:02 | 政治
2213年12月13日

大地といえば、それは個人の所有物であるのみならず―土地の私有を認めない国も一部にありましたが―、国家の領土でもあることがかつては常識でした。23世紀の今、この常識も覆されています。

以前ご報告したとおり、現在の世界秩序は国家ではなく、領域圏というまとまりで構成されているのですが、この領域圏が統治権を及ぼす「領域」とは「領土」のような排他的なものではなく、もっと緩やかなエリアのことです。「大地は無主物」の原則は世界秩序の上でも貫かれているのです。

そのため、かつては戦争の原因として最大級のものであった「領土紛争」―言わば国家間での土地紛争―もありません。とはいえ、世界が完全に一つになったわけでなく、世界共同体(世共)の下でなお領域圏に分かれているならば、「領域」を巡る争いの余地はないのか。

それはあります。ですが、現在領域圏間で領域を巡る争いが起きた場合は、必ず領域圏を束ねる世共の調停を受けなければなりません。その結果、調停案がまとまることが多いですが、まとまらない場合は世共司法裁判所に持ち込まれ、司法的に解決されます。

ただ、調停でも判決でも、領域の帰属をすんなり確定できない場合があります。そうした場合は、政治的な妥協策として、(A)世共もしくは環域圏の信託統治領とする(B)複数の領域圏の共同統治領とするといった方策が講じられます。

こうした制度は日本のように四囲を海に囲まれ、必然的に領域があいまいになりがちな領域圏にとっては、有意義なものです。実際、かつて先鋭な問題となっていた尖閣諸島は現在(A)の方法(世共信託統治領)で、「北方領土」については一部返還、一部(B)の方法で解決を見ています。

こうして領土という観念から脱した23世紀の世界秩序は、争いが起きても戦争に直結しないシステムであるため、「国防」のために軍隊を持つ必要はなく、また「国境」を厳重に警備する必要もないのです。
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by komunisto | 2013-12-13 10:06 | 政治
2213年11月7日

23世紀の国会・地方議会に相当するのは、民衆会議と呼ばれる代議機関です。そのメンバーは代議員免許取得者中からくじ引きで選ばれると述べました。それでは政府や都道府県庁、市町村役場に当たるのは?

存在しないというのが答えとなります。いわゆるお役所の存在に慣れ切った私のような旧世界人にはなかなか腑に落ちないことではあるのですが、23世紀の世界には役所というものが一切が存在しないのです。昔の言葉で言えば、無政府主義です。それでは、日々の行政はどのように?

先の民衆会議自身が行政機関を兼ねているというのが、その答えです。これもなかなかイメージがつかめないのですが、立法府である国会や地方議会自身が行政まで担当すると考えればよいでしょう。そうすると、三権分立は存在しないのか?

イエスです。公権力はすべて民衆会議に集中しています。それでは21世紀の教科書によると独裁的ということになりますが、全くそうではありません。要するに、およそ公権力は民衆の代表機関が担うという「超民主主義」の実践であるとみなされています。

とはいえ、中央・地方ともに複雑多岐にわたる行政をすべて民衆会議単独で担い切れるものではありません。そこで、それぞれの民衆会議ごとに種々の下部機関が設けられ、日常的な行政業務はそうした下部機関が執行します。また民衆会議の立法活動を補佐するための政策情報センターも設けられていますが、これらのセンターはあくまでも調査研究機関であって役所ではないので、政策立案には一切タッチしません。

ちなみにかつて大統領や首相、地方なら知事や市町村長などと呼ばれた行政の長たちも、23世紀の世界にはもはや存在しません。強いて言えば中央・地方それぞれの民衆会議議長が行政の長でもあるのですが、そういう言い方すら聞かれません。また政府の閣僚に相当するのは、中央民衆会議の各委員会委員長です。通常は正副議長及び全委員長で「政務理事会」を構成し、これが閣議に当たります。

それにしても、日頃一般人が足を踏み入れることのない中央省庁ならともかく、市町村役場も存在しないのではかえって不便ではないかと思うのですが、代わりに各地区ごとに住民サービスセンターがあり、ここで相談や簡単な手続きができます。基本的には全オンライン処理ですので、例えば住民票もオンライン請求でプリントアウトもしくは郵送で入手でき、簡便です。

これはまた別の機会にご紹介しますが、現在18歳以上のすべての住民に行政サービス専用端末が支給されており、これを使ってほぼすべての行政手続きをオンライン上でまかなうことができてしまうのです。
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by komunisto | 2013-11-07 13:45 | 政治
2213年9月11日

20世紀から21世紀にかけて“世界の保安官”として最強の軍隊を擁し、世界に君臨した資本主義総本山の「帝国」アメリカ合衆国。ですが、23世紀の現在、アメリカはもう存在しません。というより、分裂したと言うほうが正確かもしれません。

現在の旧アメリカは、おおむね北部が(一部南部を含み込む形で)旧カナダと合併して「北アメリカ連合領域圏」にまとまり、南部・南西部の旧メキシコ領土だったカリフォルニアやテキサスを中心に旧メキシコと合併して「アメヒコ連合領域圏」にまとまっているのです。後者の「アメヒコ」とはアメリカとメキシコのスペイン語読みメヒコを合成した名称です。

旧アメリカでは21世紀後半以降、主にメキシコなど中米にルーツを持つヒスパニック系人口が増大し、22世紀になると、特に南部・南西部では人口比で最多となりました。しかしヒスパニック系は人口がどれほど増えようとも貧困層が多く、経済的利権はヨーロッパ系富裕層に握られていました。 

そうした中、主としてヒスパニック系が中心となって、21世紀末に世界連続革命の起爆剤となる最初の革命がアメリカで発生し、次いで多くのヒスパニック系の郷里である南隣のメキシコへも波及しました。

これにより、一旦は旧アメリカ合衆国が総体として「アメリカ連合領域圏」へ移行したのですが、革命終息後に分裂が起き、すでにヒスパニック系が多数派となっていた南部・南西部の旧メキシコ領土地域はメキシコとの合併を望んだのです。一方で、依然としてヨーロッパ系が多数を占めていた北部を中心とする諸地域は、元来ヨーロッパ系主体の北隣カナダとの合併を希望しました。

ここでアメリカにとっては言わば歴史上二度目の「南北戦争」とも言える事態となったのでしたが、19世紀のそれとは異なり、軍事的な衝突には至らず、論戦を経て住民投票の結果、平和裏に分離が決まりました。

ちなみに「連合領域圏」とは、旧アメリカや旧メキシコのように連邦制の伝統の強い地域で採られている構成で、独自の憲法を持ち強い内政自治権を保障された「準領域圏」が連合して一つの連邦的な「連合領域圏」を構成する体制です。この点では北アメリカもアメヒコもともに連合領域圏として共通しています。

こうしておおむね北と南に分離した旧アメリカはもはや「帝国」ではなく、ともに世界共同体を構成する73の領域圏の一つにすぎません。世界から軍隊が廃止され、恒久平和の時代に入った今や、“世界の保安官”の役目も終わりました。

ただ、北アメリカ連合領域圏は大雑把に言えば「旧アメリカ+旧カナダ」という構成のため「先進地域」の性格は残り、実際、科学技術やその他の学術全般では依然として世界をリードする存在であり続けています。

一方のアメヒコ連合領域圏は実質上世界連続革命の生みの親のような立場で世界から尊敬を集めており、その動向は世界共同体においても一定の重みを持っていますが、その地位はもちろん「帝国」と呼ぶべきような覇権的なものではありません。
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by komunisto | 2013-09-11 08:48 | 政治
2213年9月5日

これまでにもしばしば「世界共同体」について触れてきました。わかりやすくするため、これを旧国際連合の後身として説明してきましたが、実際のところ世界共同体(世共:Universala Komunumo)と国際連合(国連:United Nations)の構造は大きく異なっています。

国連はあくまでも主権国家の連合組織にすぎませんでしたが、世共は主権国家ではなく、領域圏と呼ばれる未来世界特有の政治単位で構成する共同体組織です。それはまさに「地球村」と呼ぶにふさわしい世界組織です。

この違いは言葉以上に大きなものがあります。特に重要なのは、条約の効力です。旧国連条約は加盟国の主権を優先し、それを批准するかどうかは各国の自由に委ねられていました。従って、自国の都合から重要な国連条約の批准を拒否し続ける加盟国も珍しくなかったのです。

しかし、世共条約は構成領域圏すべてを拘束しますから、制定過程では反対した領域圏も条約が成立した限りはそれに従わなければならず、所要の法改正も強いられます。

こうした強力な条約の審議・議決を行うのは、「世界民衆会議」という世共の最高議決機関です。通称「総会」と呼ばれますが、構成領域圏は「総会」で平等に一票を保有します。その投票権は各領域圏の国会に相当する中央民衆会議によって選出された大使代議員が行使することになります。

現時点で世共を構成する領域圏は73あります。私が旧世界にいた21世紀初頭の国連加盟国が200近くあったのと比べ、領域圏の数はざっと三分の一ほどです。これは、小さな島嶼国家などが合併したことによる結果のようです。一方で、かつては国を持てなかったクルド人は独立のクルド領域圏を形成しています。

ところで、世共の執行機関は領域圏が地域ごとにまとまった「環域圏」と呼ばれる五つの大地域の民衆会議が選出する環域圏常任全権代表で構成する「環域圏代表者会議」です。

環域圏は国家という単位が常識だった旧世界にいた者にはわかりにくい概念ですが、例えば日本領域圏は「環東方アジア・オセアニア圏」に属しています。この環域圏はおおむねかつての東アジア・東南アジアとオセアニアから成っています。現在の環東方アジア・オセアニア圏常任全権代表はマレーシア領域圏出身の人ですが、その前任者は日本領域圏の出身でした。

ところで、旧国連本部は“世界の保安官”アメリカ合衆国の首都ニューヨークに置かれていましたが、現世共本部は南アフリカ領域圏の都市ヨハネスブルグに置かれています。あれほど強盛だったアメリカは今どうなっているのか。これについてはいずれご報告しましょう。
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by komunisto | 2013-09-05 10:57 | 政治