思考枠の拡張

思考枠という用語はあまり使われないが、ここではものを考える際の大きな枠組みのことを指す。この枠がかつてなく狭小になっているのが現代である。

例えば市場、議会、家族などといった大きな枠組み観念をそのまま無条件に前提とする議論が圧倒的である。一見様々な考えが出されているように見えても、それは狭い思考枠の内側で堂々巡りしているだけである。かつてのように、こうした思考枠を乗り越え、オールタナティブを構想するということが少なくなった。

この点、細分化された領域の“専門家”と呼ばれる人々は元来一定の思考枠内で思考する習性を持つが、これは職業柄やむを得ないことである。それに対して、思想家や文学者といった“自由人”たちは思考枠にとらわれないはずだが、近年はかれらまでもが狭い思考枠の中に閉じこもりがちである。

しかし、今ほど思考枠を拡張する必要性が高い時代もない。実際、先ほど例に挙げたような大きな枠組み観念が随所で限界を露呈している時代だからである。

思考枠の広げ方は様々ある。例えば市場、議会、家族といったもののオールタナティブをどう構想するか。既成の思考枠にとらわれず自由自在に思考してみることは楽しいチャレンジではないだろうか。

ただ、日本では今も主流的な既成知識体系の丸暗記型教育が思考枠を拡張するチャレンジの障害となるかもしれないことは懸念される。 
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