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実際家と思想家

人間をその思考法によって分けると、実際家と思想家の二通りのタイプがある(この分類は職業とは必ずしも直結しないから、職業的には実際家だが思想家であったり、職業的思想家でありながら実際家であったりもする)。

実際家は与えられた現実の枠内で思考する。思考枠は狭いが、その範囲内でできることを考える人間である。

これに対し、思想家は与えられた現実を乗り超えようと、思考を飛翔させる。そのため、かれらは実際家から夢想家として嘲笑されることもあるが、思想家は実際家の狭い発想に苛立ちを覚える。

大きな視点で見れば、社会を変えるのは思想家、変えられた社会を動かすのは実際家である。両方兼ねていれば人間として完璧だが、天は二物をなかなか与えてくれない。

ただ、社会の主導権は通常実際家が握っているため、一度造られた社会は容易なことでは変化しない。反対に思想家が社会の主導権を握ると、実験的だが不安定な社会になりやすいという問題もある。

この点で、日本社会は実際家が多い官僚やその他の専門家の主導性が極めて高度な社会である。このことが、大胆な変化を厭う日本社会の保守性の大きな要因ではないかと思われるのである。