最小限医療社会

2213年6月16日

前回、23世紀社会における介護についてご報告しましたが、今回は医療のご報告です。23世紀社会における医療は、介護以上に大きく変革されていました。

未来社会へ飛んできて最初に気がついたのは、あれほど街中に溢れていた診療所・病院がめったに見当たらないことでした。記憶をたどると病院があったはずの場所がことごとく全然別の建物になっていたりするのです。

未来社会では病院制度まで廃止してしまったのだろうかと思ったものですが、そうではなく、診療所・病院の数が大幅に減っただけでした。それにしても、未来社会ではいざ病気になったとき病院探しに苦労するのかと不安が募るかもしれません。しかし、心配は無用です。未来社会では保健所と薬局が大幅に活用されているのです。

保健所というと、かつては食中毒事件の時に名前を聞く程度でしたが、今では保健所は日常的な健康相談機関として根付いています。保健所にも予防的な外来部門があって、夜間・休日を除き毎日保健医が健康相談に応じているのです。

またかつては医師の指示で処方薬を出すだけだった調剤薬局では、通常の風邪程度の軽症疾患に対しては薬剤師自ら診断して薬を処方することが認められています。

要するに、かつては開業医が担っていたような第一次的な健康相談・診療を保健所や薬局が担うので、診療所もさほど多くは必要ないのです。病院は中・重症者を治療する場という意識が確立されているため、風邪程度で病院へ行くことはありません。その意味で未来社会は「最小限医療社会」であるとも言えるでしょう。

ちなみに資本主義的医療の象徴であった開業医や私立病院は激減しました。診療所・病院が見当たらなくなった最大の理由はそれです。

なぜそうなったかと言えば、これも貨幣交換システム廃止の結果です。要するに、医療を商品化してカネを稼ぐということは一切できなくなったからにほかなりません。未来社会では医療も完全に無償で提供されますから、医師という職業のあり方も大きく変化しています。

未来社会の医療に関しては、他にも「随時巡回診療車」など興味深いものがいろいろあるのですが、それらについては別の機会にご報告してみたいと思います。
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by komunisto | 2013-06-16 10:02 | 衛生