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電子書籍全盛時代

2213年8月12日

電子書籍はすでに21世紀初頭から普及し始めていましたから、21世紀人にとっても電子書籍自体は何ら珍しいものではないと思いますが、23世紀の今、電子書籍は完全に定着しています。言い換えると、紙書籍はほぼ廃れました。

このような方向性はすでに21世紀から予見されていて、紙書籍にこだわりを持つ人たちからは懸念されていました。そうした懸念が200年後には現実のものとなったわけです。

今、出版と言えば従って、電子出版を意味します。しかも、貨幣交換の廃止は当然にも商業出版をも消滅させましたから、23世紀の電子出版とは電子書籍の発表・展示を意味します。

そうした電子出版をコーディネートするのはいわゆる出版社ではなく、電子出版サービス事業所です。これには旧大手商業出版社の流れを汲む大手と中小・零細の事業所とがありますが、いずれも無償で電子書籍化をコーディネートしています。

電子書籍はこうした事業所を通さず自作でも公刊でき、電子書籍公刊者は誰でもウニヴェルサーラ・ビブリオテーコ(UB)という世界規模の電子書籍保存サイトに登録できます。UBに登録されると原則50年間保存されますが、すぐれた作品は審査により永久保存されます。

文学賞もありますが、23世紀の文学賞はやはり電子媒体に発表された文学作品に与えられる賞です、ちなみにかつて日本の二大文学賞とみなされていた芥川賞と直木賞はまだ続いていますが、現在ではかなりマイナーな賞となっており、日本デジタル文学大賞という賞のほうがプレスティージは圧倒的です。

では紙書籍は全く存在しないかと言うとそうでもなく、例えば作家が個人的に自作を贈呈する場合や文学賞受賞作品が記念として紙書籍に製本されて受賞者本人に贈呈されるといった形で、贈答・記念品としては生き残っています。

こうした電子書籍全盛時代は、紙書籍に慣れた20世紀生まれの「旧人類」たる私のような者にとっては味気なさもいくらかは感じるところですが、かつてパピルスが紙に変わったのと同様、紙が電子に変わったのも時代の流れでしょう。
by komunisto | 2013-08-12 11:01 | 文化