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23世紀の服飾

2213年10月23日

前回は23世紀人の食についてご報告しましたが、今回は23世紀人の服についてです。23世紀人はいったいどんな服を着ているのか。実は、衣服については表面上21世紀とそう代わり映えしませんが、その生産方法が大きく変わっています。

21世紀までには衣服の生産でも資本主義的な大量生産体制が確立され、工場で生産された規格品をファション店で購買することが当たり前となっていました。しかし、共産主義の23世紀には、こうした服飾産業のあり方も大きく変わりました。

他の業界と同様、衣服も主に「生産協同組合」という共産主義的な中小企業が開発・生産していますが、こうした企業は規格品のほかに注文品も扱うのが一般で、各自の好みのデザインやサイズで服を仕立ててくれます。

21世紀には一部高級服を除いて消滅していた「仕立屋」が産業的に復活しているのです。これによって、サイズが微妙に合わない規格品に悩まされることもなくなっています(下着類まで仕立てができます)。

ところで、21世紀には洋服が世界中に普及していました。現在でも洋服が主流的であることは変わらないのですが、近年、民族衣装ブームが世界中で起きています。しかも、互いの民族衣装を交換し合うのです。例えば、アフリカ人と日本人がアフリカの民族衣装と日本の和服を交換し合うといった具合です。

こうしたことが起きるのも貨幣経済が廃され、インターネットを通じた物々交換が盛行しているためです。インターネットの衣服交換サイトは特に人気がありますし、オフラインでも海外の民族衣装専門の物々交換ブティックもあるようです。

実際、街を歩くと和服の人もいますが、どこか見知らぬ海外の民族衣装をまとっている日本人もしばしば見かけられ、日本にいながら海外旅行をしているような気分にもなります。

このように民族衣装ブームが偏狭な国粋主義の文化的表現ではなく、普遍的な世界主義的な文化の実践として発現していることは、世界が―貨幣を介することなく―ひとつになった23世紀ならではの現象なのかもしれません。
by komunisto | 2013-10-23 10:04 | 文化