臨床心理クリニコ

2214年3月7日

暮らしの心配がほとんどない23世紀の人間たちも、生きている限り精神的な問題を抱え込み、懊悩することはあります。そういう場合に有効な治療的対応の一つとして、21世紀以前から心理療法がありますが、21世紀の日本ではさほど活用されていたように思えません。  

しかし、23世紀の現在、以前報告したように激減した開業医に代わって街でよく見かけるのは、開業臨床心理士の看板です。こうした臨床心理の療法所は「臨床心理クリニコ」(クリニコはクリニックのエスペラント語)と呼ばれています。

これはその看板どおり、臨床心理士が様々な心理療法を行うクリニックです。かつて臨床心理士は病院などに所属することが多く、開業者は少なかったのですが、現在では逆転して、開業心理士が主流となっています。

ただ、開業するには高いハードルがあるようです。まず臨床心理士の資格自体が医療者と同様に正式な公的資格となっており、医療系専門職学院を修了したうえで、試験と研修が義務づけられます。それだけでなく、開業するには、所定の研修を受けたうえで開業心理士としての上位資格も取得しなければなりません。

このように臨床心理士は、医学的な知識も必要な医療系資格の一つとして確立されているのです。従って、臨床クリニコの心理療法では対応できず、精神・神経医学的な治療を受けるほうが妥当と判断された場合は、医師に紹介状を書くのが一般で、病院とも連携しています。

こうした臨床心理クリニコは、かつてよく見られた精神科クリニックよりも気軽に利用しやすく、精神的な問題を抱えた場合の最初の駆け込み寺のような役割を果たしています。子どもの相談に特化した児童臨床心理クリニコもあります。

ちなみに、23世紀の心理療法では、かつて花盛りだった精神分析はそのエビデンスや「偽りの記憶」などの倫理的な問題から、催眠療法とともに臨床クリニコでの施術が禁止されており、クリニコで施術できる療法は、行動科学を応用した行動療法や認知療法に限られています。
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by komunisto | 2014-03-07 09:59 | 衛生