タイムトラベル

2214年8月17日

当『未来社会だより』も発信開始から1年以上が経ちましたが、ある読者より自分も21世紀の世界を脱して23世紀の世界にタイムトラベルしてみたいが、どうすればよいか教えて欲しいとのご依頼を受けました。いつか受けるご依頼だろうとは思っていました。実はタイムトラベルするには、いくつか条件があります。

一つは、21世紀の現存社会に何らのしがらみも持っていないことです。具体的に言えば、21世紀の現存社会で立派な定職に就き、家族を持ち、特別な不満は何もないという人はタイムトラベルできません。

二つ目は、100年単位で未来を構想する視点を持っていることです。逆に言えば、現在もしくはせいぜい数か月、数年先の近未来しか構想しないという人はタイムトラベルできません。

三つ目は、あらゆる常識に対して距離を置けることです。これはことさらに非常識に振舞うということではなく、例えば貨幣とか国家とかいった21世紀の世界では当たり前のものを改めて再考の必要もない当然の常識とは考えないことです。そうした常識にとらわれていると、実際、貨幣も国家もない「超常識的」な23世紀の世界にタイムトラベルすることはできません。

四つ目は、21世紀の世界を根本的に否定することです。21世紀の世界とは、すべての理想が放棄された貨幣・国家絶対の世界と言えますが、このような世界を少しでも認容する気持ちが残っていると、タイムトラベルはできません。

五つ目は、神にすがらないことです。神にすがらないとは、信仰を持たないという意味ではありません。信仰の有無にかかわらず、困った時の神頼みはしないということです。困った時に神にすがるなら、未来世界に飛ぶ必要もないので、タイムマシンに搭乗できないのです。

最後に、21世紀の世界に二度と戻らない決意ができることです。つまり、ちょっと短時間23世紀に旅行するということは許されないのです。これは初めに戻って、しがらみがないこととも深く関わります。しがらみのある人ほど、二度と戻らないという決意は鈍ります。すなわち21世紀の現存世界でのこれまでの人生ときっぱり決別できる人だけ、タイムトラベルすることができるのです。

以上の六つの条件を心理検査や面接を通じて完全に満たすと判断された人のみ、タイムトラベルの切符を手にすることができます。切符の入手方法やタイムマシンへの搭乗場所等の詳細は機密事項となっており、条件審査に合格した人だけに個別的に伝達されることとなっていますので、ここで公開することはできません。
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by komunisto | 2014-08-17 09:50 | 人生