23世紀の日本語

2215年6月18日

23世紀の日本語はどうなっているの、21世紀の日本語は通じるのというご質問を受けました。実は21世紀からタイムトラベルしてきた当初、私も不安に思いましたが、間もなく不安は解消しました。日本語の骨格は、この200年であまり変わっていなかったからです。

近代以降に確立された標準語としての日本語は歴史的に定着しており、そのまま23世紀現在まで維持されていますので、タイムトラベルしてきた21世紀人にとっても、日常的に言葉で不自由することはありません。

ただし、日本語に特有の敬語体系はかなり廃れており、年長者に対しても、かつてなら「ため口」と非難されるような話法が一般化しており、戸惑うことはあります。敬語表現はよほど改まった場でしか使用されなくなっているため、現代では「敬語」ではなく、「儀礼語」と呼ばれるようになっています。

なぜ敬語表現が廃れたかについてはいろいろな議論がなされているようですが、やはり革命後、社会的な平等性が高まり、儒教的な伝統に由来する長幼の序の観念が希薄になってきたことが指摘されています。敬語は用法が難しく、誤用もしやすかったので、敬語表現が廃れてきたのは、日本語話者にとっては幸いなことかもしれません。

もう一つの変化は、ほぼ全員がエスペラント語とのバイリンガルであることです。これは以前のたよりでもご報告したように、学校での言語教育が大きく変わり、世界公用語となっているエスペラントの習得が義務付けられ、早期からエスペラント教育が徹底されているためです。

日本語における外来語の豊富さは相変わらずなのですが、外語教育の変化を反映し、かつては圧倒的に英語由来の外来語が多かったのが、現在ではエスペラント由来の外来語が多くなっており、例えば、バイリンガルもエスぺラントのdulingvaに由来するドゥリングワという外来語が使われます。

ちなみに、以前のたよりでは近隣外語一つを加えたトリリンガル(トリリングワ:trilingva)話者の育成が目指されているとご報告しましたが、ここまではなかなか理想どおりにいかないもので、実際に三言語を同等に使える人はまだ限られているようです。

さらに、これも別のたよりでご報告したように、手話も学校教育で必修となっているため、初歩的な手話はほぼ全員が習得しており、非障碍者同士でも少々おどけて手話で会話することもあるほど普及していることも、21世紀の言語状況とは大きく変化した点と言えるでしょう。
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by komunisto | 2015-06-18 08:39 | 文化