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2013年 03月 11日 ( 1 )

震災から二年。復興はどこまで進捗しているか。行政側の言い分はいろいろあろうが、生活者の視点で見れば「遅々」という形容があてはまる現況だろう。

その原因として官僚主義の問題があることは否めないが、視点を変えてみると、「破壊されたふるさとを取り戻せ」という農耕民型の復興が目指されていることも復興を困難にしている。

それは失われたものを取り戻す「復旧」を軸とする復興であるだけに、破壊の規模が甚大であると、復興には相当な長期間を要することになる。

中世以降の日本人は農耕民型であることに加え、古くから農漁業が盛んだった沿岸被災地域の土地柄や移転が困難な高齢世代が多い被災者の年齢構成などもこうした復興のあり方を導いている。

これに対して、必ずしもふるさとの回復に拘泥せず、新しい土地で再出発することを目指す型の復興がある。これは農耕民型復興に対して遊牧民型復興と呼び得る。

定住地を持たない遊牧民の生活は決して楽ではないが、移転の自由があり、一箇所にとどまらないことから災害への耐性も強い。故地に住めなくなったら、別の新天地で巻き返しを図るまでである。

その点、震災直後に一部の自治体が試みた「町ごと移転」は臨時の緊急避難措置とはいえ、遊牧民型復興の一つの社会実験だったと言えるかもしれない。

このような型の復興は「復旧」ではなく、新たな「再生」を軸とする復興である。この場合、復興政策としても、新天地での住・職を中心とした再生支援策が核となる。

被害が甚大だった東日本大震災の復興では、こうした型の復興を大胆に取り入れていかなければいつ終わるとも知れない永遠の復興となりかねない。もっとも、それは復興利権を狙うハゲタカたちには好都合であろうが。