2013年 04月 18日 ( 1 )

最近はセルフサービス型店舗でじっくり商品を見ているだけで万引きの疑いをかけられるようだ。商品の選択に少し手間取っていると、複数の店員が明らかに警戒シフトで近くを通り抜けたりする。

マニュアルを実行しているのだろうが、あまりに見え見えなので悪意のない客にとっては万引き扱いされて不快である一方、プロ級の万引き常習犯なら裏をかけるに違いない。

年間の万引き被害は深刻とされるが、冤罪を作り出す危険の一方で真犯人を見逃す恐れもある素人的なやり方で、そこまで過剰に監視・警戒する必要はあるのか。監視社会の進行極まれりである。

監視社会化は世界的現象ではあるが、日本ではそういう問題意識自体が希薄だ。どうも日本の場合、五人組や隣組以来の相互監視体制が文化として根付いてしまっている可能性を感じる。

監視カメラの際限なき増設や風采・容貌が変わっているというだけで110番通報されたりする風潮も、そうした監視社会を超えた「監視文化」の現代的発現ではないか。

しかし、それは人間不信を増幅させる悪しき文化であるし、過剰な監視活動はいささか滑稽ですらあるという意識を持ちたい。

ちなみにセルフサービスというのもグローバルに広がった一つの商業文化だが、これは要するに客に自由に商品を取ることを許すタイプのサービスで、万引きとの差は最後に会計を済ますかどうかだけという際どいものだ。どうぞ万引きしてくださいというに等しい売り方なのだ。

今ではスーパーやコンビニに押されてすっかり廃れかけている伝統的な対面型店舗では万引きはしにくい。すると、究極の万引き防止策は対面販売の復活だが、それは現代資本主義の法則が許さないだろう。
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