2013年 12月 05日 ( 1 )

2213年12月5日

23世紀に消えたのは、摩天楼ばかりではありません。しばしば日本の家屋の狭さの象徴として揶揄された「兎小屋」も消えました。すなわち、住居は全般に200年前よりも広くなっています。

なぜ住居の狭さが解消されたかですが、一つには人口の適正化があると言われます。もともと狭小なうえ山がちな日本で人口が増加すれば、当然住居面積は狭くなりがちです。そのうえ広大な土地が国有地や商業用地として確保されていたため、なおさらです。

現在、国家という権利主体が存在しないため「国有地」も存在せず、商業の廃止により商業用地も多くが宅地として解放されたことで、住居面積は広がったのです。 

もう一つは、上述の事情とも関連して、高層マンションが減少したことです。地面が狭いから空中に住むというのが高層住宅の構想ですが、空中では当然住居の面積は限られます。まさに兎小屋です。しかし、宅地の拡大は高層化の必要をかなりの程度減少させています。高層マンションも存在しますが、前回報告したように、高さ規制によりせいぜい12階建て程度のものです。

ちなみに現在高齢家族と同居中の市営高齢者住宅も旧団地的なものですが、広めの2LDKで介護しやすいようにゆったりした間取りになっており、手狭で介護向きとは言い難かった200年前の公団住宅とは格段の違いがあります。

さらに、もう一つ「脱兎小屋」の秘訣として、一戸で広大な面積を取る「豪邸」が消えたこともあるでしょう。貧富差の原因であった貨幣が廃された23世紀社会には富裕層のシンボルである「豪邸」も存在せず、住宅の平等も確立されているのです。実際、宅地法は庭を含めた一戸建ての敷地面積を規制しているため、広大なお屋敷を建てることはそもそも認められません。

こうして、かつて豪邸が林立していた東京の田園調布なども他と変わらないごく普通の住宅街となった一方、住居を失い、兎小屋にすら入れない野宿生活者の姿も見られなくなっています。
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by komunisto | 2013-12-05 11:40 | 生活