人気ブログランキング |

2015年 03月 02日 ( 1 )

2215年3月2日

3月に入ったばかりで少し早いですが、かつて日本の3月は引越しシーズンでもあり、ある種の「民族大移動」の季節でした。21世紀の社会では依然としてそうだと思いますが、23世紀の現在、そのようなことはありません。

その理由として、昨年3月の記事でも報告したように、4月に入社・異動・入学が集中する「4月基準社会」は過去のもので、従って3月も引越しシーズンではなくなっているということがありますが、そればかりでなく、23世紀の人たちはそもそも引越しをあまりしないようです。

一般世帯の引越し理由で一番多いのはやはり転勤・転職だと思いますが、23世紀には転勤がほとんどありません。これは各地に支社や事業所を持つ大企業というものが消滅したことが大きいですが、大規模組織でも地元固定採用が基本のため、転勤に次ぐ転勤ということがないのです。

一方、23世紀の労働者はしばしば転職しますが―ある統計によると、平均して生涯に3.5回―、職住近接を基本とした労働紹介システムが完備しているため、転職する場合でも、近傍で転職するのが一般ですから、やはり転居の必要はないわけです。

その結果、23世紀は産業社会でありながら、農耕社会並みに定住性の強い社会となっているのです。考えてみれば、転勤・転職に伴って、あちこち転居して回るという生活スタイルは、まさに20世紀的な働き蜂社会そのものだったのかもしれません。

とはいえ、諸事情から転居する必要が生じ得ることは23世紀でも変わりませんが、引越しが少なくなった現在、かつて御馴染みだった引越し専門業者も見当たりません。短距離の引越しなら、親族・友人などを頼んで個人的に転居作業する人が多いようです。

すると、21世紀からタイムトリップして来た筆者のように23世紀社会に親族・友人の少ない人間はどうすれば?探してみると、ボランティアで引越し作業を手伝う団体があるようで、こういうところに頼むしかないようです。
by komunisto | 2015-03-02 18:08 | 生活