2213年8月30日
23世紀未来社会の教育制度は基礎教育と生涯教育とに大別され、なかなか合理的によくできていると報告しました。特に生涯教育は成人後の多様な学びの目的に対応するすぐれた制度です。
その中心を担うのが、多目的大学校と呼ばれる教育機関です。これはその名のとおり、多目的な教育プログラムを提供する公立の教育機関で、その運営には地方圏=道が当たります。要するに道立大学校です。
大学校といっても旧社会の大学とは異なり、いわゆるエリート養成を目的とした高等教育機関ではなく、民衆教育機関です。階級のない未来世界にエリート教育の需要はありません。
多目的大学校のプログラムは教養科と実用科、それに補習科に分かれており、各自の目的に応じて三つのコースのいずれか、あるいはすべてを受講することもできます。入学試験に相当するものは一切なく、定員に空きがある限り、誰でもいつでも、どこの大学校にも入学可能です。
教養科は昔のカルチャーセンターに似ていますが、レベル的には旧大学の教養課程の水準かそれ以上を満たしています。実用科は実社会での就転職・昇進に役立つ実用的な科目を提供しており、溶接とか大工の講座まで用意されています。補習科は基礎教育の内容の復習を目的とするもので、基礎教育課程を休学等の事情から十分消化できなかった人向けの再履修課程と言えます。
私は旧社会から飛んできてそもそも未来社会の基礎教育を全く受けていない無学歴者ですから、補習科をすべて受講したいところですが、とりあえず旧社会で挫折した数学だけ受講しています。
数学といっても、旧社会の数学科目とは全然教育メソッドが異なっており、正式には「数的思考」と呼ばれ、計算よりも思考そのものに力点が置かれます。例えば微分積分のような高等数学でも、公式の暗記ではなく、微分積分という数的思考を言語的に表現することが学習のポイントです。従って、あえて数式を使わず、言葉で数式の意味を説明するといった一種の言語表現科目として扱われているのです。
このような教え方なら、退屈な「計算ドリル」からも解放され、数学の深遠さや体系的な美しさすら体験でき、数学嫌いをなくすことも可能でしょう。実際、数学嫌いだった私も、あのわけのわからない数式の意味はこういうことだったのか・・・と目を開かれる思いです。
ちなみに、多目的大学校は成人教育課程にふさわしく、通学と通信いずれでも受講できます。私は通信を選択していますが、通信といっても手紙通信ではなく、もちろんネット通信で、通学部の授業の動画配信も受けられます。
成績評価はなかなか厳しく、頻繁に小テストがあり、その成績と担当教員の課す課題、及び修了試験の総合成績で履修認定が出されます。かつての大学のように学生を甘やかすことは決してありません。
23世紀未来社会の教育制度は基礎教育と生涯教育とに大別され、なかなか合理的によくできていると報告しました。特に生涯教育は成人後の多様な学びの目的に対応するすぐれた制度です。
その中心を担うのが、多目的大学校と呼ばれる教育機関です。これはその名のとおり、多目的な教育プログラムを提供する公立の教育機関で、その運営には地方圏=道が当たります。要するに道立大学校です。
大学校といっても旧社会の大学とは異なり、いわゆるエリート養成を目的とした高等教育機関ではなく、民衆教育機関です。階級のない未来世界にエリート教育の需要はありません。
多目的大学校のプログラムは教養科と実用科、それに補習科に分かれており、各自の目的に応じて三つのコースのいずれか、あるいはすべてを受講することもできます。入学試験に相当するものは一切なく、定員に空きがある限り、誰でもいつでも、どこの大学校にも入学可能です。
教養科は昔のカルチャーセンターに似ていますが、レベル的には旧大学の教養課程の水準かそれ以上を満たしています。実用科は実社会での就転職・昇進に役立つ実用的な科目を提供しており、溶接とか大工の講座まで用意されています。補習科は基礎教育の内容の復習を目的とするもので、基礎教育課程を休学等の事情から十分消化できなかった人向けの再履修課程と言えます。
私は旧社会から飛んできてそもそも未来社会の基礎教育を全く受けていない無学歴者ですから、補習科をすべて受講したいところですが、とりあえず旧社会で挫折した数学だけ受講しています。
数学といっても、旧社会の数学科目とは全然教育メソッドが異なっており、正式には「数的思考」と呼ばれ、計算よりも思考そのものに力点が置かれます。例えば微分積分のような高等数学でも、公式の暗記ではなく、微分積分という数的思考を言語的に表現することが学習のポイントです。従って、あえて数式を使わず、言葉で数式の意味を説明するといった一種の言語表現科目として扱われているのです。
このような教え方なら、退屈な「計算ドリル」からも解放され、数学の深遠さや体系的な美しさすら体験でき、数学嫌いをなくすことも可能でしょう。実際、数学嫌いだった私も、あのわけのわからない数式の意味はこういうことだったのか・・・と目を開かれる思いです。
ちなみに、多目的大学校は成人教育課程にふさわしく、通学と通信いずれでも受講できます。私は通信を選択していますが、通信といっても手紙通信ではなく、もちろんネット通信で、通学部の授業の動画配信も受けられます。
成績評価はなかなか厳しく、頻繁に小テストがあり、その成績と担当教員の課す課題、及び修了試験の総合成績で履修認定が出されます。かつての大学のように学生を甘やかすことは決してありません。
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by komunisto
| 2013-08-30 10:37
| 教育